災害リスクアドバイザー 松島康生 

熊本地震(益城町近隣市町村)で、注意をしていただきたい事

2016年4月15日21時26分 熊本県を震源とする地震(M6.4)が発生しました。

2016年04月14日21時26分 熊本県熊本地方 M6.4 b

2016年04月14日21時26分 熊本県熊本地方 M6.4 b

 

震源と規模・深さから勘案すると、日奈久断層帯および布田川断層帯が動いた可能性が考えられます。
また、広域に考えると大分~熊本構造 線を発端とする別府~島原地溝帯に影響することも考えられます。

熊本の活断層図

熊本の活断層図しばらくの間は同クラスの余震が続くことが考えられるので、取り急ぎ下記に注意していただければと思います。

◆自助・共助
◇家族の安否、自宅の被害状況の確認。また、ガス漏れなどがないかの確認も必要です。
◇耐震性の低い古い建物、または柱などの主要構造に被害を受けている場合は、安全に避難する。
◇避難する際は、火災予防のためにブレーカーを落として周囲に声を掛けてゆく。
◇外を歩く際は、建物の瓦や外壁、看板類の落下、ブロック塀の倒壊に気をつけていただきたい。

ご近所のお年寄りの安否、帰宅困難で子どもだけの家庭がないかの確認をお願い致します。

◆自宅で待避する場合
◇火を使うロウソクは火災の危険があるので、できればLED懐中電灯やランタンを使っていただきたい。
◇額や家具・棚類などの落下物や倒れてこない安全な部屋に居るようにする。
◇念のため、ラジオなどから情報が取れる状態にしておく。
◇余震によって電気・上下水道などのライフラインの途絶が予想されるので、早めに水などを確保しておく。また、用を足すためのビニール袋類を確保しておく。
◇複数の余震によって、耐震性の低い建物は倒壊の恐れもあります。柱や壁に亀裂が見られる場合は避難することも検討してください。

◆避難所では
◇避難所においては災害弱者(要配慮者・避難行動要支援者・災害時要援護者)に配慮していただきたいと感じています。
※災害弱者~乳幼児とその母親、高齢者、精神疾患、傷病者などを含みます。
◇トイレを我慢しようとするために、水分を控える方が居ますが、少量でも定期的に取るようにしましょう。特に乳幼児や高齢者の場合、自分で把握することが出来ないことが多いため、周囲の方が注意をしましょう。
◇体力的に丈夫な方は優先的に災害弱者の方へ譲るように心掛けたいものです。

◆車両で待避する場合
エコノミークラス症候群(肺塞栓症など)に注意をしてくださいと呼び掛けが出ています。
予防するには、足先~太ももをマッサージしたり、車外に出て背伸びをするような行為も必要です。また、水分を定期的に摂取するようにしましょう。
◇暖を取るためにエンジンを掛けて車中泊する方も多いかと思います。前方にクルマがある場合は、一酸化炭素中毒の恐れがあるので3m以上の間隔を空けるように駐車位置に注意してください。
◇移動する際は、道路の陥没や亀裂、また落橋、がけ崩れ等に注意してください。夜間の走行は極力控えるようにしてください。

◆土砂災害に注意
急傾斜地と呼ばれるガケ地に近い場所では、余震などにより崩れる危険性があります。
◇また、川沿いでは降雨によって土石流の危険性があります。
◇緩斜面であっても、地震によって緩んだ地盤に水が入り込んで地すべりを引き起こすことがあります。
◇特に土日にかけて降雨の予報が出ていますので、土砂災害が発生しやすい状況が考えられます。道路が寸断することも予想されるため、降雨がひどくなる前に避難するようにしてください。
◇自宅で待避される方は、念のため崖から離れた2階部分へ移動することをお勧めします。
土砂災害情報マップ

土砂災害情報マップ

土砂災害情報マップ

土砂災害情報マップ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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松島 康生
この記事を書いた人
災害リスク評価研究所 代表
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