◆竜巻の威力!
①車やトラック、物置など、1トンを超えるようなものが吹き飛ばされます。
2012年のつくば市では家屋が竜巻に煽られて、基礎ごと持ち上げられて倒壊しました。 東京工芸大学の田村幸雄教授によると、建屋の風洞実験において一般家屋が横転する転倒限界風速は109m/s(時速換算400km)もの威力でした。
②飛散の連鎖で被害を大きくします(飛散した物が衝突して、そこで破壊された物がまた飛散する連鎖)。
③上記のような飛散物が遠心力によって、突き刺さる現象(別名:ミサイル)が最も危険です。
飛散物が突き刺さる現象
これが原因で窓ガラスを割ったり、飛散物に当たって大怪我をするケースが多いのです。
④移動スピードが早く、日本では時速90kmの移動速度が記録されています。
◆竜巻が発生する条件
一年を通して発生しますが、特に台風シーズンの7~10月が多く発生しています。
内閣府資料・竜巻発生時期
これらは台風をはじめとする低気圧や前線によるもの、また、急な寒気の流入によるものが多く、北海道から九州まで全国で発生しています。また、山間地を除く、沿岸部や平地で発生していることが多く、高層ビルなどが建ち並ぶ都心でも発生した事例があります。
竜巻というとアメリカで多数発生しているようにみられていますが、平地での面積換算するとアメリカも日本も発生数に大差がありません。
◆竜巻(予報)の情報収集
①ラジオ・テレビなどの気象予報をによる情報入手
②自治体による防災行政無線(スピーカー)による情報
※2011年の気象庁による竜巻注意報の発令件数は589回、うち実際に発生件数は8回でしたが、気象庁からの発令がなく発生している竜巻は、実に31回もありました。
このことから、「自ら気象の前兆現象を観測した上で適切な行動をとること」が重要となってきます。
◎気象の前兆現象(竜巻接近時)
竜巻発生の前兆現象
①積乱雲などが発生し、空が急に暗くなったり、風が強くなってくる
②漏斗状の雲や前段階の円柱や円筒状の雲の出現
③雷(雷光や雷鳴)や雹(ひょう)の発生
④冷たい風やゴーッという風音
◆イザッ、竜巻対策(飛散物から身を守る)
内閣府資料・竜巻対策(飛散物から身を守る)
※屋内の場合
①雨戸(シャッター)やカーテンを閉め、窓から離れる
②各部屋のドアを閉める(風を通さない)
③窓のない部屋か、風が通りにくい部屋、風による落下物が少ない部屋に移動
④頭から首に掛けて、毛布や座布団などで覆うように保護する
⇒浴槽に避難して危険を免れた事例がありますが、窓が大きいとガラスが飛散して危険が予想されます。適切な部屋や廊下などを選んで、机の下やベット下などに身体を隠すように保護しましょう。
※屋外の場合
①堅固な建物内へ避難する(飛ばされそうな車庫や物置、納屋は不可)
②飛ばされてきた物に当たらないように、狭い窪地凹(水路や溝)に身を伏せる
③姿勢を低くして、カバンやパックなどで頭や首を守る
④車両の場合は、竜巻の進行方向を見定めながら速やかに移動するか、近くの堅固な建物内に避難する
◆ダウンバースト(下降噴流)などにも注意
ダウンバースト
竜巻のような渦状の風とは異なり、似たような気象の条件下で発生する「ダウンバースト」や「ガストフロント」のよる突風が知られています。
これは積雲や積乱雲の一部が冷えて、強い下降気流が発生し、急激な風が地表にぶつかるため、局所的に多量の突風が吹く現象があります。これにより屋外のテントや看板などが飛ばされる被害が発生しています。