「地震は日本のどこで発生しても不思議なことではない」と言うことを大学教授がテレビで言ってました。プレートの沈み込みである東京湾沖や千葉県沖であれば理解できるのですが、私の住む東京都内が震源(直下)になることはあるのでしょうか。
という内容のメールを頂きました。
こちらの質問者様と同様に「まさか、自分の住んでいる家の真下が震源なんて事はないだろう!」と考えている方が多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、大学教授が言われるように、日本のどこが震源になってもおかしくはありません。すなわち「日本に住む以上、地震のリスクからは逃れられない」と言っても過言ではないのです。
確率論的に地震発生リスクの高いところと低いところの差異はありますが、その時期がイツ起こるのかという確証が持てないのが現状なのです。
ご存知の通り、日本の国土地盤には4つのプレートが入り組んだ構造のため、まさに全世界で発生している地震(マグニチュード6以上)の約2割は日本で発生しているのです。
さて、質問者様が言われている東京都内ですが、過去3カ月の地震発生の履歴をみたところ、規模(マグニチュード)は小さいですが、東京都23区内を震源とする地震が発生していることが分かるかと思います。
※全国の地震履歴を分かりやすく、「Yahooの地震情報の履歴一覧」でご覧いただけます。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/list/
下図は、この1ヶ月間に発生した地震の分布図です。このような事からも日本全国で地震が頻発していることがお分かりだと思います。
※防災科学研究所の「高感度地震観測網」で最新の震源情報をご覧いただけます。
・着色は震源の深さ…赤くなるほど浅く、青色ほど深い。
・円の大きさは、地震の規模(マグニチュード )を表しています。
プレート型地震だけでなく、活断層においても同様のことが言えます。
下記画像は阪神・淡路大震災を引き起こした「野島断層保存館」で撮影した活断層の断面と、断層のすぐ横で激震に耐えた家が保存されています。
上記のことからも、「いつ」、「どこで」、「どんな規模」の地震が起こるかという「予知」に依存せず、「いつ起きてもおかしくない」という認識が必要なのです。
そのために、いつ、どんな災害が発生しても、対応できるよう「この場所なら」、「どんな災害が」、「どの程度の規模や範囲で」起きるのかを具体的に調べ、適切な防災対策を講じることが大切です。 すなわち、リスクを知り、そのリスクを最小限にするための対策が必要なのです。
上記画像の激震に耐えた家は、建物自体の歪みもほとんどなく、無事に耐えたということですが、その理由の一つに基礎のコンクリートを通常の2倍以上を使用していたことが知られています。震度7の激震により地面は20cm持ち上がり、横に1m以上も動いた形跡がありながらも、基礎がしっかりしていたため建物に対しての影響が小さかったのです。
このことから私の家も活断層特有の地勢がすぐ脇にあり(国の調査では確率の低い推定断層とされていますが)、おそらく活断層だろうと想定した上で、これを参考にして基礎部分のコンクリートを増量して家を建てています。