災害リスクアドバイザー 松島康生 

テレビ朝日「グッドモーニング」に出演。首都圏でも土砂災害

テレビ朝日「グッドモーニング」(2013年10月24日放送)に出演させていただきました。

台風26号では伊豆大島(大島町元町地区)で大規模な土砂災害(地すべり・土石流)が発生しました。これを教訓に首都圏のような身近な所でも土砂災害(急傾斜地)に注意が必要という内容で、ロケに同行してきました。

テレビ朝日の「グッドモーニング」 台風26号の被害

 

ロケーション先は起伏の激しい神奈川県の某所、住宅街が近接する崖地を探すこと2時間。ロケ地ではベテランのディレクターさんと若いスタッフさんに支えられて、無事撮影も完了。住民の方のお話も聞くことができました。

撮影風景急傾斜地

 

下記は、テレビではお伝えきれなかった内容も含めてご紹介します。

 

◆災害リスク(土砂災害)を知る

まず最初に、お住まいの場所や勤め先が、台風や集中豪雨に対して脆弱な場所なのかを、あらかじめ把握しておくことが大切です。土砂災害(がけ崩れ・急傾斜地の崩壊・土石流・地すべり・表層深層崩壊)だけでなく、洪水や浸水、高潮など。

急傾斜地は各地に点在しています土砂災害危険個所数

◆災害リスク(土砂災害)をあらかじめ知るには・・・

・自治体の発行するハザードマップや防災マップで危険度の目安を確認する。

・ハザードマップ類はインターネットでも公開されています。

・国土交通省の地方整備局に問い合わせてみる。

・古くから住んでいる方に、過去に起きた災害を聞いてみる。

・民間では「災害リスク評価研究所」で、詳細な災害リスクを調査し、対策案を提案しています。

 

◆土砂災害から身を守るための対策とは

・1階部分に土砂が流れ込むケースが多いため、1階よりも2階以上が安全とされています。

・また、リスクを少しでも小さくするために、崖から離れた部屋に移動する方がより安全です。

1階よりも2階以上が安全崖から離れた部屋に移動する

出典:TV朝日~1階よりも2階以上が安全出典:TV朝日~崖から離れた部屋に移動する方がより安全

・雨が止んでも、水分を含んだ地盤がゆるんでいるため、その後に土砂災害が発生することもあります。

・降雨だけでなく、大きな地震が発生した場合も地盤に亀裂が入り崩れることもあります。

・なお、規模が大きい傾斜地の場合は、家よりも避難することを優先して下さい。

 

◆五感で知る前兆現象

下記のような前兆現象を感じた場合は、より慎重な警戒が必要です。また、必要に応じて役所や消防にも状況を伝えておきましょう。

短時間で多量の豪雨。または長時間に渡る降雨が続く場合は、土砂災害の発生率が高くなるため、早期の避難が必要です。

五感で知る前兆現象五感を使って知る

・崖上部から小石や土がポロポロと落ちてくる。または音がする。

※急傾斜の崩壊、がけ崩れの危険

・崖の上部付近に亀裂が入っている箇所がある。

※急傾斜の崩壊、表層・深層崩壊の危険

・ズズズッと低い地鳴りやゴゴゴッと地ひびきのような音がする。

※表層・深層崩壊の危険

水が噴き出している地鳴りや地ひびき

・山の木々が傾いているように見える。

※表層・深層崩壊、がけ崩れの危険

・崖の壁面などから水が噴き出している。

※表層・深層崩壊、がけ崩れの危険

・土の匂い。水が腐ったような匂いがする。

※崖からゆるんだ土砂が出てきているため、表層・深層崩壊、土石流の危険

土のにおい水が腐ったようなにおい

・普段澄んでいる河川がにごり、小枝等が混ざる。

※土石流、表層・深層崩壊の危険

・普段の河川の水量が急に減る(急に水位が下がる)。

※上流でせき止められている危険性があり、土石流の危険

・井戸水がにごる。水量が減る。

※地下水位に変動があるため、表層や深層崩壊の危険

 

◆土砂災害の危険性が高い地域にお住まいの方へ

地球温暖化の影響により、台風も集中豪雨も近年では猛烈な雨が頻繁に降るようになりました。

短時間で多量の豪雨の場合、または長時間に渡る降雨の場合は「自分だけは大丈夫」「家に被害はでないだろう」「誰も避難してないから大丈夫」という安易な過信や過去の経験に頼らず、自主避難も必要です。

特に、高齢者や乳幼児、妊産婦、障がい者など、一人で避難できない人が居る場合は、気象警報等が出たら、状況が悪化する前に早めの避難行動が最善策です。

早めの避難行動あと

◆状況が悪化した場合

既に雨が強くなってきた。浸水が始まっている。土砂が流れ出しているような状況では、無理に避難所へ移動しようとはせず、近くの堅牢な建物の上階層に移動したり、消防や警察などの応援を呼んで避難するようにしましょう。

 

◆台風に備えての対策(参考)

・庭やベランダにある飛ばされそうなものは室内へ入れる。または飛ばされないように固定する

・内水浸水や道路冠水の原因ともなっている排水溝や側溝に詰まりがないかを点検しておく

・雨戸、または飛散防止フィルムを窓に仮止め・養生ガムテープを貼って窓を補強する

・避難所や避難経路に危険がないかをあらかじめ確認しておく。

・停電などを想定して、懐中電灯、電池式ラジオ、暖かい毛布や着替えを用意

・家族との連絡方法を確認しておく(電話が不通になった場合に備えて)

・インターネットやTV のデータ放送で、自分が居る場所の台風や警報などを収集する

・浸水や土砂災害が懸念される場所では、避難具の用意と電気製品などを2階に移す。

・極力、外出は控え、外出する場合は、瓦や看板、木の枝、プラスチック類などの飛散物に注意し、地下室や地下駐車場には入らないようにする

 

下記のリンクも参考にして下さい。

最近の大雨(集中豪雨)と台風について

http://www.saigairisk.com/527.html

 

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松島 康生
この記事を書いた人
災害リスク評価研究所 代表
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