災害リスクアドバイザー 松島康生 

質問:最近の大雨(集中豪雨)と台風について

■質問内容

最近首都圏ではゲリラ豪雨がかなり問題となっています。

この勢いで台風まで来ると首都圏機能が麻痺してしまうのではないかと思いとても心配です。

台風に備えて首都圏で出来る事ってどのような事がありますでしょうか?
漠然と不安になってしまいます。
抽象的な内容ですみませんが、何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

■回答

近年と過去の雨量データを較べると、いずれも観測史上最多の記録を更新している状況にあります(下記画像参照)。 集中豪雨を経験されたご年配者の方々がそろって口にしているのが「経験したことがない豪雨だった」ということでした。

近年の集中豪雨と内水氾濫

近年の集中豪雨と内水氾濫

 

首都圏における集中豪雨は、地球温暖化および都市のヒートアイランド化に起因するといわれる局地的な集中豪雨の発生や都市のコンクリート化に伴う雨水浸透量の減少により、雨水流出量が増大しています。

河川堤防の越水や破堤のような「外水氾濫(がいすいはんらん)」とは異なり、下水の処理能力を超える雨水が市街地へと流れ込む都市型水害と呼ばれる「内水氾濫(ないすいはんらん)」の危険性が高くなっています。

※参照:洪水・浸水時に気をつけたい場所

洪水・浸水時に気をつけたい場所

洪水・浸水時に気をつけたい場所

 

 

※参照:40秒でわかる浸水・洪水など「水害時のチェックポイント 」

http://www.youtube.com/watch?v=AvXwZUxohRs

 

■首都圏で予想されるリスク

〇地下への浸水

1999年6月、2003年7月の福岡水害。1999年7月の新宿での地下室への浸水。2000年の東海豪雨での地下鉄浸水。2004年9月の渋谷の地下店舗が浸水。これらの事例があげられます。

地下部の浸水

地下部の浸水

 

 

〇鉄道や高架下などアンダーパス道(トンネル道)

首都圏に限らないのですが、高架下などアンダーパス道(トンネル道)の排水が追いつかずに浸水しているケースが多々あります。

高架下などアンダーパス道(トンネル道)

高架下などアンダーパス道(トンネル道)

 

〇マンホールなどからの逆流現象

マンホールなどからの逆流現象

マンホールなどからの逆流現象

 

 

■洪水ハザードマップや内水氾濫マップを参考にしましょう。

下記のリンクに要点まとめていますので参考にして下さい。

「◆洪水ハザードマップの賢い使い方」

「◆洪水ハザードマップの落とし穴(注意点)」

「◆洪水が発生する前(予防対策)」

「◆洪水が発生したら(応急対策)」

http://profile.ne.jp/pf/matsushima/c/c-90142/

 

なお、「ゲリラ豪雨」はウェザーニューズが作り出した造語で、意味合いは気象庁で言う「集中豪雨」と同じです。

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松島 康生
この記事を書いた人
災害リスク評価研究所 代表
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