災害リスクアドバイザー 松島康生 

帰宅困難時に備える基本的知識!

昨年末にNHK(首都圏放送センター)さんから連絡を受けて、2013年1月17日(阪神・淡路大震災から18年目)の放送で、防災(帰宅困難者対策)企画の新しいネタはないかと問い合わせをいただきました。東京都が4月から施行される帰宅困難者対策の内容や携帯電話会社のショートメールが可能になったなどの話をしました。

しかし、メディアとしては「地震被害想定調査」や「あっと思わせる防災グッズ」など、新しい防災のネタを探していたと思うのですが、防災対策って意外と「オッ」と思うようなものは少なく、地味なんです。

そんな理由で当日の番組では新しい防災グッズと防災アプリを中心とした内容になるということでした。

 

今回はNHK 首都圏ネットワークで、ボツになったものを含めて、初心に振り返って帰宅困難時の「基本的知識」をご紹介したいと思います。

■地震発生時の状況把握と連絡方法

外出時に大きな地震が発生した場合は、下記のような3段階の状況の応じた対策が必要です。また、緊急用および被災地での電話を優先するためにも災害用伝言ダイヤル「171」などを利用するようにしましょう。

◇フェーズ1・・・電気も電話も使える状況

この場合でも、鉄道などが点検などでしばらく動けないと考えましょう。また、電話が通じなくなる状況になりつつあります。過去の事例をみると下記のような連絡方法が効果的です。

携帯電話 < 一般電話 < 公衆電話 < 携帯メール < Wi-Fiを使ったスマホメール <会社や家からのPCメール

※電話の場合、携帯回線よりも一般電話や公衆電話の方が比較的繋がりやすい傾向がみられます。

 

◇フェーズ2・・・電気は使えるが、電話が使えない状況

場所や時間帯によっては、鉄道だけでなく道路の渋滞が発生します。電話は通信制限がかかり、通じない状況になります。この場合は電話ではなくメールを利用するようにしましょう。

携帯メール < Wi-Fiを使ったスマホメール < 家や会社からのPCメール

※東日本大震災を契機に異なる携帯電話会社でもショートメール(携帯の電話番号を使ったメッセージ)が共通して使えるようになりました。

◇フェーズ3・・・電気も電話も使えない時

停電状態になると不安感が高まり、パニックを引き起こすこともあります。携帯電話の中継基地局では、蓄電池により数時間~40時間程度稼働できるとされています。

帰宅困難者対策の原則は、家族や社員と連絡が取れないことを前提とした準備が必須です。この日のために、あらかじめドコヘ避難するか、どのような行動をとるのかを話し合い、メモをしておくことが必要なのです。

 

◆帰宅困難(災害時レスキュー)カード

どなたでも所持しやすいように名刺(キャッシュカード)サイズで折りたたんで使用する事が出来ます。災害時の帰宅困難を想定して、自分自身に何かあった場合のメモや家までの道すじ、帰宅途中経路の知人宅などの連絡先、救急時の対処法などを記しています。

※すぐに利用出来るテンプレートこちらからダウンロードできます。

帰宅困難(災害時レスキュー)カードVer1.2

帰宅困難(災害時レスキュー)カード

 

 

帰宅困難(災害時レスキュー)カード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地震発生時の注意点(倒れそうな物から離れ、頭を保護する)

・事務所内で、地震が発生した場合は、棚類やコピー機などから離れ、机の下へ身を隠す

・工場内で、地震が発生した場合は、機械や棚類などから離れ、落下物に注意する

・量販店やショッピングセンターで、地震が発生した場合は、ショーケースや棚から離れて広い場所へ逃げる

・映画館や劇場で、地震が発生した場合は揺れがおさまるまで、座席前後の間に身を低く隠してバッグ等で頭を保護する

・地震発生時、建物内から突然飛び出すのは非常に危険です。(東日本大震災においても落下物でケガをしている方がいます)

・あわてずに建物内の状況確認をする。(窓ガラスが割れていないか、壁に亀裂などが入っていないか・・・危険が予想される場合は落ち着いて外出する)

・公共施設など人が集まる場所では、パニックが発生する恐れがあります。施設の指示に従い、冷静に行動する

 

会社に用意しておく物(詳細は次回掲載予定)

会社として、準備する物品以外に、自分自身として最低限用意しておくもの。

◇徒歩で帰宅できる人・・・目安として10~15km圏内(個人差あり)

・スニーカー(若い方または体力に自信のある人)

・雨合羽(帰宅する際に雨天に見舞われる場合があります。また、冬期は保温の役割にもなります)

・携帯ラジオなどで常に情報収集

・できれば3WAYバックが最適(手足が自由になるリュックタイプ)3WAYバック

 

 

 

 

 

 

 

・カバンやバッグにいつも入れておくもの(次回、掲載予定)

◇会社に留まる人

・飲料水(多くのビルで水は電気ポンプによって汲み上げているので、停電すると水が出なくなる場合があります)

・簡易食料(会社で常備食が用意していない場合は個人での用意が必須です)

・停電などを考慮したLEDライト

 

徒歩での帰宅する際の注意点

・余震が予想されます、徒歩で移動する際は落下物や塀の倒壊に注意しましょう

・単独では歩かない(ケガをした場合など、助け合いが必要)

・道の反対側から来る方に声を掛けて情報収集する(橋が落ちて通れないなど)

 

避難所を利用する際の注意点

地域や時間帯によっては避難所がいっぱいになってしまう恐れがあります。

高齢者や小さな子供を連れた親子、妊産婦、傷病者を優先的に避難所へ入れるような配慮をお願い致します。

・若い方や体力に自信のある方は他の避難所を利用することも考えましょう。

・避難所では助け合いが必須です。施設管理者に対して自分の職業やスキル(医師、看護師、英会話、介護など)を申告しましょう。

■ぜひ、気にかけてほしい事

子供や高齢者、怪我をされている方、外国の方への配慮(道端で声を掛ける。避難所などでは優先的に譲る)

・東日本大震災同様、交通渋滞により救急車の到着は大幅に遅れることが予想されます。

ケガや病気の状況に応じて、周囲の人の手で搬送する事も必要です

災害弱者と呼ばれる高齢者や妊産婦などへの配慮をお願い致します。

・火災が発生した場合、交通渋滞により緊急車両は大幅な遅延が予想されます。

早期の消火に努めるようにお願い致します。

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松島 康生
この記事を書いた人
災害リスク評価研究所 代表
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